九州地方の中小企業、特に製造業や林業・農業などの現場では、深刻な人手不足が共通の課題となっています。その解決策として「外国人材」の確保、なかでも「技能実習生」の受け入れを検討する企業が増えています。
しかし、「言葉の壁は大丈夫か」「現場のトラブルや失敗例はないか」といった不安から、導入へ踏み切れない経営者・人事担当者の方も少なくありません。
そこで本記事では、大分県で木材加工を手がける「佐伯広域森林組合」様における、インドネシアからの技能実習生の受け入れ事例をご紹介します 。実際の仕事内容や直面した課題、それを乗り越えた工夫など、現場のリアルな本音を詳しくお届けします。

目次
技能実習生の受け入れを検討した背景:導入前に企業が抱いていた本音と不安
技能実習生の受け入れを決断するにあたり、社内では期待と同時に、様々な「受け入れ前の不安の声」が飛び交っていました。初めて外国人材を迎え入れるという大きな転換期において、現場のオペレーションに対する慎重な意見も少なくありませんでした。
具体的に、導入前の段階で企業側が最も不安視していたのは、「実習生が自分で進んで動くイメージが持てない」という、主体性に関する部分でした。また、「こちらの指示や仕事の内容を本当に理解できるのだろうか」という、言葉と業務理解の壁に対する懸念も強く存在していました。
それでも、地域の産業を守り、企業の生産性を維持するためには、意欲ある若い外国人材の力が不可欠であると判断し、受け入れの決断へと至りました。
【現場インタビュー】インドネシアから大分へ!技能実習生の日本での生活と仕事
大分県の佐伯広域森林組合で木材加工の仕事に励む、インドネシア・バリ島出身で29歳の技能実習生にお話を伺いました。
Q. 日本へ来ようと思った理由は何ですか?
実習生: 一番の理由は、家族の経済を支えるためです。大好きな家族を幸せにしたいという強い気持ちがあり、日本で就労することを決めました。
Q. 来日前、どのような不安やイメージを持っていましたか?
実習生: 日本に来る前は、自分の日本語力が足りないことがとても不安でした。日本のイメージとしては、「清潔な国」「時間を守ること」「テクノロジーが進歩している国」という印象を持っていました。
Q. 実際の仕事内容や、1日の流れを教えてください。
実習生: 今は、製品を作る仕事や、機械の点検作業を担当しています。 1日の流れとしては、朝に機械のチェックを行い、異物がないかを確認します。その後、前日からの報告を聞いて、機械を適切に設定してから実際の作業に入ります。
Q. 最初に苦労したことや、言葉の壁はどう克服しましたか?
実習生: やはり言葉の壁があり、最初は機械の細かい設定や漢字を理解するのが難しかったです。会話をするときに、言葉を間違えてしまうこともよくありました。 でも、職場の先輩たちがとても優しくて、色々なことを丁寧に教えてくれました。どうしても言葉が分からない場合はGoogle翻訳を使っています。また、分からない言葉があったときはメモをしておいて、家に帰ってからインターネットで検索して勉強しました。今では機械の設定も一人でできるようになり、自分の成長を実感しています。
Q. サポート体制や、職場の環境はいかがですか?
実習生: 仕事で困ったときは、いつも現場のリーダーに相談しています。どうしても言葉が本当に分からない深刻な場合は、仕事が終わったあとに監理団体(組合)の通訳さんへ連絡して言葉の意味を聞いたりしています。 今の職場は外国人を差別することが全くなく、日本人の皆さんと楽しくコミュニケーションが取れるので、とてもありがたい環境だと感謝しています。日本での生活を通じて、時間を守ることができるようになったのも、自分自身の良い変化だと感じています。

受け入れ企業(佐伯広域森林組合様)のリアルな声:導入前後の変化
佐伯広域森林組合の受け入れ担当者様にも、技能実習生を受け入れたリアルな感想と変化について伺いました。
導入前に抱いていた「自分で進んで動いてくれるか」という懸念は、良い意味で完全に裏切られる結果となりました。実習生は非常に意欲的で、今ではしっかりと仕事を理解し、自発的に動いて現場を支えてくれています。
実際に感じている大きなメリットは、実習生に笑顔が多いため、会社の雰囲気が非常に活気付いた点です。若い人材が前向きに働く姿は、日本人社員にとっても良い刺激となっています。
一方で、想定外だった課題としては「言葉が思った以上に伝わらないこと」が挙げられました。業務の指示や、安全管理に関わる細かいニュアンスの共有には、初期段階で一定の苦労があったのも事実です。
総評として、これから受け入れを検討している九州の企業へのアドバイスを求めると、「実習生は日本人にはないやる気の高さが違います」とのこと。言葉の課題を補って余りある熱意と行動力があり、今や現場に欠かせない重要な戦力となっています。
まとめ:適切なサポートで九州の現場に活力を
少子高齢化と人口減少が進む九州の中小企業にとって、技能実習生の受け入れは、単なる労働力の補填にとどまらず、社内をポジティブに活性化させる大きなチャンスです。
もちろん「言葉の壁」といった想定外の課題や注意点もありますが、実習生本人の高いやる気と、監理団体による通訳などのサポート内容を上手に組み合わせることで、リスクを回避して確実な成果へと繋げることができます。
「うちの職種でも受け入れられるだろうか」「具体的な費用や手続きを知りたい」という九州の経営者・人事担当者の皆様、まずは信頼できる専門窓口や監理団体へ、最初の一歩として相談してみてはいかがでしょうか。
