佐賀県の加熱性水産加工食品製造業で外国人材を受け入れる方法を解説します。
技能実習制度における対象作業や受入れの流れ、特定技能への移行、2027年4月から始まる育成就労制度まで、受入れ企業が押さえておきたいポイントを紹介します。
佐賀県内で水産加工業を営む企業の皆さま、工場の生産体制を維持するための人材確保に悩んでいませんか。求人を出しても応募が集まりにくく、熟練作業員の高齢化が進む中、外国人材の受入れを検討する企業も増えています。
- 自社の製造工程は「加熱性水産加工食品製造業」に該当するのか
- 技能実習や特定技能では、どのような要件を満たす必要があるのか
- 外国人材の住居や生活、日本語コミュニケーションをどのように支援すればよいのか
こうした疑問を持つ企業も多いのではないでしょうか。
加熱性水産加工食品製造業は、技能実習制度における移行対象職種の一つで、「節類製造」「加熱乾製品製造」「調味加工品製造」「くん製品製造」の4作業が定められています。
ただし、技能実習制度は本来、開発途上地域等への技能等の移転による国際協力を目的とする制度であり、単なる人手不足対策として利用する制度ではありません。
一方、一定の専門性・技能を持つ外国人材を人手不足分野で受け入れる「特定技能」や、2027年4月1日から開始される「育成就労制度」もあります。自社の目的や製造工程に応じて、適切な制度を選択することが重要です。
本記事では、以下のポイントを中心に解説します。
- 佐賀県の水産加工業における外国人材受入れの考え方
- 加熱性水産加工食品製造業で対象となる職種・作業
- 技能実習から特定技能への移行
- 2027年4月から始まる育成就労制度
- 受入れまでの流れと受入れ企業が準備すべき環境
- 監理団体等を選ぶ際のポイント
目次
佐賀県の水産加工業における外国人材受入れの現状と市場概況
佐賀県の水産加工現場が直面する人手不足と高齢化の課題
佐賀県は玄界灘と有明海という2つの海に面しており、水産業や水産加工業が地域産業の一翼を担っています。
一方、少子高齢化や生産年齢人口の減少などを背景として、製造現場では人材確保が課題となっています。
特に、水産加工工場では、原料処理、加熱、乾燥、選別、包装など複数の工程があり、安定した生産体制を維持するためには継続的な人材確保と育成が欠かせません。
こうした中、技能実習や特定技能などの制度を適切に活用し、外国人材を受け入れる企業もあります。

加熱性水産加工食品製造業で外国人材を受け入れる際のポイント
外国人材を受け入れる際は、「外国人であればどの工程にも自由に配置できる」というわけではありません。
在留資格や制度によって、従事できる業務や受入れ要件が異なるため、自社の製造工程と制度上認められている業務との整合性を事前に確認する必要があります。
特に技能実習制度では、技能実習計画に基づいて実習を行う必要があり、対象職種・作業についても詳細な基準が定められています。
加熱性水産加工食品製造業で外国人材を受け入れるための職種・作業要件
技能実習で対象となる4つの作業
技能実習制度における「加熱性水産加工食品製造業」は、以下の4作業が技能実習2号への移行対象となっています。
| 作業 | 概要 |
| 節類製造 | 魚類を原料として、煮熟、焙乾などの工程を経て節類を製造する作業 |
| 加熱乾製品製造 | 魚介類を加熱した後、乾燥などの工程を経て製品を製造する作業 |
| 調味加工品製造 | 魚介類に調味・加熱などを行い、調味加工品を製造する作業 |
| くん製品製造 | 魚介類をくん煙するなどして、くん製品を製造する作業 |
実際に技能実習生を受け入れる場合は、外国人技能実習機構が公表している職種・作業ごとの審査基準や技能実習計画の認定基準に照らして、自社の工程が対象となるかを確認する必要があります。
単に製品名だけで判断するのではなく、「どの原料に対して、どのような工程を行っているか」を確認することが重要です。
【具体例】煮干しや節類などの製造工程
例えば、魚介類を原料とする加熱乾製品では、原料処理、加熱、乾燥など、製品完成までに複数の工程があります。
ただし、外国人技能実習生に担当してもらう作業については、技能実習計画に定めた必須業務、関連業務、周辺業務等との関係を確認する必要があります。
「包装や運搬だけを担当してもらう」といった受入れでは、技能実習制度の趣旨や職種・作業の要件に適合しない可能性があります。
自社の製造工程が対象となるか分からない場合は、受入れを決める前に監理団体等へ工程表や製造方法を提示し、確認することをおすすめします。
非加熱性水産加工食品製造業との違い
加熱工程を伴わない水産加工については、「非加熱性水産加工食品製造業」に該当する場合があります。
| 作業 | 概要 |
| 塩蔵品製造 | 魚介類に食塩をまぶしたり、食塩水に漬け込んだりして塩分を浸透させ、塩蔵魚、塩蔵わかめ、塩蔵魚卵などの塩蔵品を製造する作業。 |
| 乾製品製造 | 魚介類を低温または常温で乾燥させ、素干し品、塩干し品、みりん干し品などの乾製品を製造する作業。 |
| 発酵食品製造 | 魚介類に食塩などを加え、酵素や細菌、酵母などの働きによって発酵・熟成させ、塩辛などの発酵食品を製造する作業。 |
| 調理加工品製造 | 魚介類に非可食部を除去し、フィレ、切り身、裁断、整形などの下処理を行った後、調味や混合、衣付けなどを行い、味付け魚介類やフライ用の衣付き魚介類などの調理加工品を製造する作業。 |
| 生食用加工品製造 | 生鮮魚介類の非可食部を除去し、ブロック、柵、ロイン、フィレ、むき身、スライスなどに加工・整形し、刺身用フィレや切り身、むき身などの生食用加工品を製造する作業。 |
「加熱しているか、していないか」だけで単純に判断するのではなく、実際の製造工程と職種・作業の審査基準を照らし合わせることが大切です。
技能実習から特定技能への移行と長期的な人材活用
技能実習2号を良好に修了すれば特定技能1号への移行が可能
加熱性水産加工食品製造業の技能実習2号を良好に修了した外国人は、一定の要件を満たすことで、「特定技能1号」の飲食料品製造業分野へ移行(2027年4月1日からは「水産加工業」が独立した業務区分として設けられる予定)することができます。
対象となる技能実習を良好に修了し、従事しようとする業務との関連性が認められる場合には、特定技能1号で通常求められる技能試験および日本語試験が免除されます。
一方、技能実習を経ずに特定技能1号として受け入れる場合などは、原則として「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」と、日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストなどへの合格が必要です。
なお、水産加工品の製造は、特定技能制度では原則として「飲食料品製造業分野」に位置付けられます。
特定技能1号から2号へのステップアップ
飲食料品製造業は、特定技能2号の対象分野です。
特定技能2号へ移行するためには、所定の技能評価試験への合格に加え、複数の従業員を指導しながら工程を管理するなど、一定の管理等実務経験が必要です。
そのため、「特定技能1号として5年間働けば自動的に2号へ移行できる」という制度ではありません。
将来的に特定技能2号への移行を目指す場合は、日常の製造業務だけでなく、工程管理や従業員への指導などを経験できる人材育成体制を整えることが重要です。
2027年4月から始まる「育成就労制度」とは
技能実習制度に代わる新しい制度として、「育成就労制度」が2027年4月1日から施行されます。
育成就労制度は、現行の技能実習制度を発展的に解消し、人手不足分野における人材育成と人材確保を目的として創設される制度です。
2026年8月現在、育成就労外国人の受入れそのものはまだ始まっていません。
そのため、現時点で外国人材の受入れを検討する場合は、技能実習制度や特定技能制度を中心に検討しつつ、2027年4月以降の育成就労制度への移行も見据えて準備することが重要です。
また、技能実習制度から育成就労制度への移行には経過措置があります。受入れ時期によって利用できる制度や手続きが異なる可能性があるため、最新情報を確認しながら計画を進めましょう。
佐賀県で外国人材を受け入れる際の流れ
技能実習生を受け入れる場合
団体監理型の技能実習を利用する場合、一般的には次のような流れで準備を進めます。
- 監理団体への相談
- 自社の職種・作業が技能実習の対象となるか確認
- 候補者の募集・面接
- 技能実習計画の作成
- 外国人技能実習機構への技能実習計画認定申請
- 出入国在留管理庁への在留資格に関する手続き
- 入国前後の講習
- 受入れ企業への配属・技能実習開始
必要となる期間は、送出国や申請状況、候補者の状況などによって異なります。
そのため、「必ず6~8か月で配属できる」と考えるのではなく、余裕を持った採用計画を立てることが大切です。
企業側で準備すべき受入れ環境
外国人材を受け入れる企業は、法令上必要となる体制を整えることはもちろん、職場と生活の両面から働きやすい環境を整えることが重要です。
例えば、
- 適切な住居の確保
- 生活に必要な設備・環境の整備
- 分かりやすい作業マニュアルの作成
- 安全衛生教育
- 外国人にも理解しやすい表示や説明
- 日本人従業員とのコミュニケーション体制の整備
- 相談しやすい職場環境づくり
などが挙げられます。
特に水産加工工場では、刃物や機械、高温設備などを使用する場合があります。事故を防ぐためにも、外国人材が内容を確実に理解できる方法で安全衛生教育を行うことが大切です。
佐賀県で外国人材を受け入れる際の監理団体選び
地域に根ざしたサポート体制を確認する
団体監理型の技能実習では、監理団体の支援・監理体制が重要です。
監理団体を選ぶ際は、
- 自社の職種・作業について十分な知識があるか
- 技能実習計画の作成を適切に支援できるか
- 定期的な監査・訪問指導を適切に行っているか
- 外国人材からの相談に対応できる体制があるか
- トラブル発生時に迅速に対応できるか
- 送出機関との連携体制が整っているか
などを確認しましょう。
料金だけで判断せず、制度への理解と受入れ後のサポート体制まで含めて比較することが大切です。
アジアアグリ協同組合 九州支部のサポート
アジアアグリ協同組合 九州支部では、佐賀県を含む九州エリアの企業から外国人材の受入れに関するご相談を承っています。
加熱性水産加工食品製造業で技能実習生の受入れを検討する場合、まず重要になるのが「自社の製造工程が技能実習制度上の対象職種・作業に該当するか」という確認です。
製造している商品の名称だけで判断するのではなく、実際の原料処理、加熱、乾燥、調味、くん煙などの工程を確認したうえで、適切な受入れ方法を検討する必要があります。
また、受入れ後も、職場でのコミュニケーションや生活面を含め、外国人材が安心して技能実習に取り組める環境を整えることが重要です。
外国人材の受入れを初めて検討している企業も、まずは現在の製造工程や採用予定人数などを整理したうえでご相談ください。
よくあるご質問
Q1. 加熱処理を行わない魚介類の加工でも、「加熱性水産加工食品製造業」で技能実習生を受け入れられますか?
A. 製造工程によっては、「非加熱性水産加工食品製造業」など別の職種・作業に該当する可能性があります。
技能実習制度では、加熱性水産加工食品製造業と非加熱性水産加工食品製造業について、それぞれ対象となる作業が定められています。
製品名だけでは判断できない場合があるため、実際の製造工程を確認したうえで、外国人技能実習機構が公表する審査基準等に照らして判断することが重要です。
Q2. 佐賀県内の地方部でも技能実習生や外国人労働者の住居手配は可能ですか?
A. はい、可能です。佐賀県内の民間賃貸アパートや自社の社宅・寮などを活用して手配を行います。生活に必要なスーパーや自転車通勤圏内の安全な立地確保など、アジアアグリ協同組合がアドバイスいたします。
Q3. 日本語でのコミュニケーションや現場での作業指導に不安がある場合はどうすればよいですか?
A. 入国前後の講習で基本的な日本語や生活マナーをしっかりと学びます。また、アジアアグリ協同組合の通訳スタッフが定期巡回や緊急時にサポートしますので、現場の指導者様も安心して受け入れていただけます。
まとめ:佐賀県で加熱性水産加工の外国人労働者受け入れならアジアアグリ協同組合へ
佐賀県内の加熱性水産加工食品製造業において、外国人材の受け入れは、人材確保に向けた選択肢の一つです。技能実習生を受け入れる場合は、自社の製造工程が技能実習制度の対象となる職種・作業に該当するかを確認し、適切な技能実習計画の作成や受入環境の整備、法令遵守に取り組むことが重要です。
アジアアグリ協同組合では、企業ごとの製造工程や受け入れ状況を確認しながら、外国人技能実習生の受け入れをサポートしています。佐賀県で加熱性水産加工食品製造業における外国人材の受け入れをご検討の企業様は、まずはお気軽にご相談ください。
