佐賀県内で漁業や養殖業を営むみなさま、以下のようなお悩みはありませんか。
- 地域の高齢化が進み、自慢の漁業技術を継承する若い担い手がみつからない
- 海外から意欲的な人材を受け入れて、技術を教えながら現場を活性化したい
- 技能実習制度の正しい仕組みや、法令を守った受け入れ手続きがわからない
佐賀の漁業において技術伝承と持続可能な現場づくりを実現する手段が、外国人技能実習制度の適切な活用です。本来の目的である「技術移転と人材育成」を正しく理解し、手厚いサポート体制をもつ監理団体とともに取り組むことで、若く意欲的な人材を安心して育てられます。佐賀の海況や作業特性に合わせた受け入れ手順と育成成功のコツをわかりやすく解説します。
この記事で分かること
- 佐賀県の漁業・水産業における外国人材受け入れの現状と技術継承の課題
- 漁業・養殖業で技能実習生を適正に受け入れるための条件と作業区分
- 漁業特有の作業管理・安全配慮と特定技能へのステップアップ
この記事の詳細
佐賀県内の漁業・養殖業では、高齢化に伴う技術継承や事業の持続可能性が重要な課題となっています。この課題に対し、技能移転と人材育成を目的とする外国人技能実習制度の適正な活用が期待されています。受け入れにあたっては、対象職種(漁船漁業・水産養殖業)の正確な把握や、有明海・玄界灘の特性に応じた年間実習計画の作成、法令遵守に基づく適切な労務管理が不可欠です。正しく制度を運用することで若い人材を育成し、将来的な特定技能への移行を通じた長期的な信頼関係の構築も可能となります。手続きや指導面のサポートについて不明点がある場合は、アジアアグリ協同組合 九州支部へご相談ください。
目次
佐賀における漁業の現状と外国人材受け入れの背景(統計・市場概況)
佐賀県の水産業は、有明海の養殖業や玄界灘の沿岸漁業など、全国的にも有名な特産物に支えられています。しかし、近年は深刻な高齢化と次世代の技術継承者が不足する課題に直面しています。
佐賀県内の漁業・養殖業が直面する高齢化と技術継承の課題
農林水産省の「漁業センサス」や水産庁の動向調査によると、全国的に漁業就業者は減少の一途をたどっており、佐賀県内でも60歳以上の就業者が全体の41.7%を占めています。長年培ってきた独自の漁法や養殖技術を次世代へ引き継ぐことが難しくなっており、地域の水産業をいかに維持していくかが大きな焦点となっています。
(引用元:佐賀県政策部統計分析課『2023年漁業センサス 佐賀県の概要(概数値)』」)3_109653_331801_up_1lmh4bk7.pdf
水産分野における技能実習生・特定技能の受入実績と推移
地域漁業の持続可能性を高めるため、水産業界では海外からの意欲的な人材を受け入れる動きが広がっています。厚生労働省の統計でも、漁業分野における技能実習生の受入数は増加傾向にあります。特に養殖業や水産加工の現場では、日本の高度な水産技術を学ぼうとする実習生が熱心に作業へ取り組み、現場の活性化にも貢献しています。
(引用元:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37084.html)

佐賀の漁業で技能実習生を受け入れるための条件と主な対象作業
技能実習制度は、開発途上地域等への技術移転を目的とした制度です。受け入れを行うためには、あらかじめ定められた対象職種・作業に自社の事業が合致している必要があります。
受け入れ可能な漁業職種(漁船漁業・養殖業)
漁業分野の技能実習対象職種は、大きく分けて「漁船漁業」と「養殖業」の2職種(10作業)に分類されます。
- 漁船漁業(9作業): かつお一本釣り漁業、延縄漁業、まき網漁業、ひき網漁業、刺し網漁業、定置網 など
- 養殖業(1作業):ほたてがい・まがき養殖作業
自社の実施する作業が、制度上のどの対象作業に当てはまるか事前にしっかりと確認しましょう。
佐賀の地域特性(有明海・玄界灘)と受入計画のポイント
佐賀県には有明海と玄界灘という特性の異なる二つの海が存在します。いずれも天候や季節による作業工程の変動があるため、年間を通じた適正な技能習得計画の作成が重要です。海況や天候に左右されやすい漁業だからこそ、安全管理と計画的な時間管理が求められます。

佐賀県内の現場作業スケジュールと年間計画の具体例
技能実習生の受け入れにあたっては、季節や海況に応じた年間実習計画をあらかじめ策定する必要があります。佐賀県内の主要漁業における作業イメージは以下のとおりです。
- まがき養殖作業:
- シーズン期: 採苗、身入れ管理、水揚げ、洗浄・選別作業の技術指導
- オフシーズン期: 養殖いかだや資材の点検・修繕、作業船のメンテナンス指導、陸上での日本語・座学研修
- 沿岸・漁船漁業:
- 出航日: 操業技術(網入れ・網引き)の指導、獲物の選別・箱詰め、帰港後の船内清掃
- 荒天・時化(しけ)の日: 陸揚げ網の補修・仕立て技術の指導、仕掛け作成、定期メンテナンス
天候不順などで操業できない日が発生した場合でも、陸上での関連作業や研修を計画に組み込んでおくことで、順調な技能習得環境を維持できます。
漁業技能実習生の受け入れまでのステップと必要な手続き
実習生の受け入れには、問合せから実際の配属まで通常8か月から1年程度の期間を要します。
ステップ1:監理団体への相談・求人申込
まずは農林水産業に強みをもつ監理団体へ相談します。技能実習生の受入れ枠や要件を確認し、指導体制や受入条件を整理します。
ステップ2:現地面接と技能実習計画の作成・認定
現地(ベトナムやインドネシア等)での面接(オンライン可)を行い、意欲ある候補者を選抜します。選考後、外国人技能実習機構(OTIT)へ技能実習計画の認定申請を行います。
ステップ3:入国後講習と現場配属
計画の認定後、出入国在留管理局からの入国許可と本国でのビザ発給を経て技能実習生が入国します。日本国内で約1か月間の入国後講習(日本語や生活マナー、法的保護講習)を受講したのち、事業所へ配属となります。
適正な育成とトラブル防止のための労務・安全管理
技能実習生が安全かつ安心して技術を学べる環境を整えることが、トラブルを防止し、健全な育成を実現する第一歩です。
漁業特有の作業時間や海況に配慮した労働管理
労働基準法第41条により、漁業(水産業)は労働時間・休憩・休日に関する規定の適用除外とされており、これは技能実習生にも同様に及びます。ただし、技能実習制度の運用上は、技能実習生の労働時間等について労働基準法の規定に準拠した取扱いをすることとされており、実質的には1日8時間・週40時間を基本とした適正な労働時間管理が必要です。なお、深夜割増賃金・最低賃金・安全配慮義務は適用除外の対象外であり、当然に適用されます。
生活環境の整備と日本語・コミュニケーション支援
実習生が暮らす住居(家電やWifiの完備)を準備し、日常的なコミュニケーションを大切にします。定期的な面談や日本語学習の機会を提供することで、指導員と実習生の信頼関係が深まります。
制度改正(育成就労制度への移行)に向けた今後の準備
技能実習制度は、人材の確保と育成を目的として、2027年4月より施行される新たな『育成就労制度』への移行が進められています。事業主が今から準備しておくべきポイントは以下のとおりです。
- 長期的な育成を見据えたキャリアパスの提示: 技能実習から特定技能へのスムーズな移行を念頭に置き、ステップアップの目標を整理する
- 日本語学習の継続支援: 現場での安全指示の理解や技能向上に必要な日本語能力を高める環境を整える
- 伴走型サポート体制の確保: 法改正の最新動向を正確に把握し、適正な運用を支援してくれる地元の監理団体と連携する
早めに対策を進めることで、制度改正後もスムーズに外国人材の育成に取り組むことが可能となります。
佐賀の漁業技能実習に関するよくあるご質問
Q1. シーズンによって仕事量が変動する場合でも受け入れできますか?
はい、受け入れ可能です。年間を通じた適正な技能実習計画を策定し、年間を通じて一定の技能習得機会と作業量が確保できるよう調整します。
Q2. 住居の準備や日本語のサポートはどのように行えばよいですか?
事業主側で賃貸アパート等の住居を手配します。生活備品のセットや日本語教育、生活上の相談対応は監理団体が手厚くサポートします。
Q3. 技能実習から特定技能への移行は可能ですか?
可能です。技能実習2号を良好に修了した実習生は、従事する業務と技能実習の職種・作業に関連性が認められる場合には試験免除で「特定技能1号」へ移行でき、さらに実践的な技能を発揮しながら最長5年間の就労が可能となります。
まとめ:佐賀の漁業発展に向けた安心のサポート体制
佐賀県の漁業・養殖業において、外国人技能実習制度は次世代への技術継承と現場の活性化をもたらす貴重な枠組みです。地元の海と漁業の特性を把握し、法令遵守と人身保護を徹底して伴走してくれる監理団体とともに、持続可能な漁業経営を目指しましょう。
