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2027年の実施状況報告書の提出期限と基本ルール
外国人の技能実習生を受け入れている実習実施者には、法律に基づき年1回の実施状況報告書提出が義務付けられています。2027年の手続きを滞りなく進めるために、まずは提出期限と制度の基本知識を確認しましょう。
実施状況報告書(技能実習実施状況報告書)とは?
実施状況報告書とは、実習実施者が過去1年間に実施した技能実習の状況を外国人技能実習機構(OTIT)へ報告するための公的な書類です。技能実習生の受入状況、技能検定等の受検状況、実施体制、労働条件、行方不明者の発生状況など 、所定の事項を省令様式第10号に記載して報告します。
実施状況報告書の提出期限は毎年「5月31日」まで
(2026年8月現在の法令・運用要領に基づくと、2027年5月31日まで )
技能実習法第21条および同法施行規則第23条の規定に基づき、実習実施者は毎年5月31日までに、前年の4月1日から当年の3月31日までの期間における技能実習の実施状況を外国人技能実習機構(OTIT)へ報告しなければなりません。
| 項目 | 内容 |
| 対象期間 | 2026年4月1日〜2027年3月31日(1年間) |
| 提出期限 | 現行法令・運用要領では、2027年5月31日まで |
| 提出先 | 実習実施者の住所地を管轄する、外国人技能実習機構の地方事務所・支所の認定課 |
外国人労働者の受け入れに関する統計情報・市場概況
日本国内における人手不足の深刻化に伴い、外国人の存在感は年々増しています。統計データとともに最新動向を整理します。
技能実習生・外国人労働者の受入人数の推移
厚生労働省が公表した「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」によると、届出のあった外国人労働者数は2,571,037人 となり、過去最高を更新しました。このうち「技能実習」の在籍人数は499,394人 となっており、全外国人労働者の約2割を占めています。
- 外国人労働者総数:2,571,037人
- 在留資格「技能実習」の外国人労働者数: 499,394人
- 主な受入産業:技能実習生は製造業、建設業、農業などの幅広い産業で受け入れられています。
引用元:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
引用URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68794.html
2027年の制度改正(育成就労制度への移行)と実施状況報告書への影響
2024年に成立した改正法により、2027年4月から従来の技能実習制度は「育成就労制度」へと移行します。ただし、2027年4月1日時点ですでに技能実習を行っている者などについては経過措置が設けられており、施行後も一定の要件の下で技能実習を継続できます。 そのため、2027年の制度移行期であっても、技能実習生を受け入れている期間中は「毎年5月31日まで」という実施状況報告書の提出義務は継続します。
報告書作成のため事前に確認しておきたい資料
実施状況報告書の作成には、日頃の労務管理データや関係書類の準備が不可欠です。
- 技能実習生の出勤簿またはタイムカード
- 技能実習生の賃金台帳
- 認定技能実習計画
※これらは報告書作成時の確認資料の例であり、すべてを実施状況報告書に添付して提出するという意味ではありません。
記載時によくある間違いと注意点
実施状況報告書で誤りが発生しやすい項目を事前に把握し、不備を防ぎましょう。
特に以下の項目は厳格に確認してください。
- 基本給と残業代(割増賃金)の計算基礎
- 食費や水道光熱費などの控除額(労使協定の範囲内か)
- 実際の労働時間とタイムカードの記載の整合性
実施状況報告書の提出期限を過ぎた場合のリスクとペナルティ
提出期限である5月31日を過ぎて放置した場合、実習実施者は厳しい行政処分を受けるリスクがあります。
行政指導・改善命令等のリスク
実施状況報告書の提出は技能実習法に基づく義務です。未提出のまま放置することは法令違反となり、状況によっては外国人技能実習機構(OTIT)による指導や、主務大臣による改善命令等の対象となる可能性があります。
優良要件の評価や技能実習計画の認定への影響
法令違反等により改善命令を受けた場合には、優良な実習実施者の評価において大幅な減点の対象となります。 法令違反等の内容によっては、技能実習計画の認定取消しにつながる場合があります。また、認定取消しを受けた場合、その事由によっては一定期間、新たな技能実習計画の認定を受けられなくなることがあります。なお、実施状況報告書の提出遅延だけで直ちに5年間の受入停止となるわけではありません。
実施状況報告書の提出期限に間に合わない場合の対処法
万が一、提出期限に遅れそうな事態が発生したときは、素早い対応が必要です。
直ちに監理団体(組合)へ連絡・相談する
提出が遅れそうなことが判明した段階で、自社をサポートする監理団体へすぐに連絡してください。書類の作成補助や必要な添付資料の確認など、迅速なアドバイスを受けることができます。
外国人技能実習機構の地方事務所への事前連絡
期限内の提出が難しいことが判明した場合は、監理団体と連携し、管轄する外国人技能実習機構の地方事務所・支所に早めに相談して、必要な対応を確認しましょう。
実施状況報告書の作成・提出をスムーズに進めるコツ
毎年の報告書作成を効率化し、担当者の負担を減らすためのポイントを紹介します。
日頃の帳簿管理とデータ整理の徹底
5月になってから慌てて書類を集めるのではなく、毎月または毎期のタイミングで出勤簿や賃金台帳のデータを整理しておくことが大切です。クラウド勤怠管理システムなどを導入すると、集計作業を大幅に短縮できます。
信頼できる監理団体のサポート活用
アジアアグリ協同組合 九州支部では、グループ内の弁護士法人・行政書士法人・社会保険労務士法人と連携し、受入企業様の書類作成や労務管理をトータルサポートしています。専門知識を持ったスタッフが事前に提出書類をチェックするため、不備や遅延のリスクを軽減することができます。
実施状況報告書に関するよくあるご質問
実習実施者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1:2027年から育成就労制度が始まると現在の技能実習の報告書は不要になりますか。
いいえ、不要になりません。2027年以降も経過措置により技能実習を行わせている間は、技能実習法に基づく実施状況報告書の提出義務も継続します。
Q2:実習生が途中で帰国・辞めてしまった場合も報告書は必要ですか?
年度途中に技能実習を終了した技能実習生がいる場合でも、その年度に技能実習を行わせた実績がある場合は、当該年度の実施状況報告の対象となります。具体的な記載方法は、技能実習の終了理由や在留資格変更の有無などによって異なるため、OTITの記載例・FAQを確認してください。
Q3:実施状況報告書の提出期限を過ぎてしまった場合はどうすればいいですか?
期限内の提出が難しいことが判明した場合は、監理団体と連携し、管轄する機構の地方事務所・支所に早めに相談し、対応を確認することをおすすめします。
まとめ:実施状況報告書は期限厳守!不安な方は監理団体へ相談を
実施状況報告書は法令に基づく報告義務であり、未提出のまま放置すると、指導等の対象となる可能性があります。余裕を持って準備し、期限内に提出することが重要です。
書類の書き方や制度改正への対応に不安がある方は、日頃から丁寧な巡回・指導を行う信頼できる監理団体へご相談いただくことをおすすめします。
