建設キャリアアップシステム(CCUS)について

 建設キャリアアップシステムとは、技能者ひとり一人の就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化などにつなげるシステムです。英語(Construction Career Up System)の頭文字をとって、CCUS(シーシーユーエス)とも略されます。

建設キャリアアップシステム(CCUS)の目的

 建設キャリアアップシステムとは、技能者の保有資格・社会保険加入状況や現場の就業履歴などを業界横断的に登録・蓄積して活用する仕組みであり、その目的として①技能者の能力・経験等に応じた適正な処遇改善につなげる②技能者を雇用し育成する企業が伸びていける業界環境をつくる③若い世代が安心して働き続けられる建設業界を目指すことにあります。

建設キャリアアップシステム(CCUS)が導入された背景

 建設業は、技能者の高齢化及び若者の建設業離れで人手不足が大きな課題となっています。建設業界全体でルールを統一化することによって、人材の適正な評価、現場の管理や事務作業の効率化を図り人材不足を解消する狙いがあります。

「特定技能外国人」「技能実習生」の受入事業者は建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録が必要

 国としてはシステムの更なる普及を目指し、公共工事への入札参加資格を得るために必要な経営事項審査の加点対象とするなど登録者を優遇する施策を実施していますが、登録は義務ではなく事業主の任意となっています。

 一方で、「特定技能外国人」「技能実習生」を受け入れる場合には、受入事業者の事業者登録及び外国人本人の技能者登録が義務付けられています。

 建設業界における外国人の失踪者数が他産業と比較し目立って高かったことがその背景にあります。

建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録にかかる費用

 事業者登録料、技能者登録料、管理者ID利用料、現場利用料(元請事業者の場合)が発生します。

事業者登録料について

 事業者の資本金額をもとに決まります。

資本金登録料(税込)
一人親方0円
500万円未満(個人事業主含む)6,000円
500万円以上1,000万円未満12,000円
1,000万円以上2,000万円未満24,000円
2,000万円以上5,000万円未満48,000円
5,000万円以上1億円未満60,000円
(※一部のみ記載)

 登録の有効期限は5年間で、登録が完了した日から5年後の登録月末まで有効となります。

技能者登録料について

申請方法登録料(税込)
インターネット(1)簡略型:2,500円
(2)詳細型:4,900円
認定登録機関詳細型:4,900円

(簡略型・詳細型・認定登録機関については、「建設キャリアアップシステムの登録の流れ」の項目で解説します。)

カード有効期間は発行日から発行9年経過後最初の誕生日までとなります。

※カードの紛失・破損・券面書換が必要な場合は、実費(1,000円)で再発行が可能です。

管理者ID利用料について

 事業者が建設キャリアアップシステムにおいて事業者情報(現場情報を含む)を管理するために必要となる管理者ID に対する利用料金です。1IDあたり11,400円(税込)で毎年費用が発生します。

※一人親方の方の管理者ID利用料は2,400円です。
※現場管理者として登録されたIDについては、管理者ID利用料は発生しません。

現場利用料について

 システムにおいて現場・契約情報を登録した事業者(元請事業者)に対し、当該現場における技能者就業履歴情報の登録回数(現場に入場する技能者の人日単位)に対する利用料金です。

 1人日・現場あたり10円(税込)で一定期間ごとの事後精算となります。

建設キャリアアップシステムの登録の流れ

①申請方法は、インターネット申請と窓口(認定登録機関)申請の2つの方法があります。

 窓口として設置している認定登録機関は全国に236箇所ありますが、事前予約が必須となっております。名称・住所・電話番号など詳細は建設キャリアアップシステムのHPで確認することができます。

②事業者登録⇒技能者登録の流れで登録します。

③技能者登録は「簡易型」と「詳細型」の2段階の登録方法があり、いずれかを選択して登録を行います。

 「簡易型」⇒技能者の本人情報等の基本情報の登録のみでカードが発行されます。(7種類の項目を登録します。)

 「詳細型」⇒技能者の能力評価制度(レベル判定)の申請等に必要な保有資格情報等を登録します。(14種類の項目を登録します。)

※簡易型と詳細型の大きな違いは、「レベル判定を行えるか行えないか」です。
※簡易型で登録した後に詳細型に変更もできますが、別途2,400円の費用がかかります。

受入事業者の登録の流れ

インターネットの場合

  1. 申込み
  2. 確認・審査
  3. 登録料の支払い
  4. 事業者情報登録の完了
  5. 事業者ID・管理者IDの受領

窓口の場合

  1. 申請書を取り寄せる
  2. 申請書に手書きで記入し専用封筒に封入
  3. 窓口に提出
  4. 確認・審査
  5. 登録料の支払い
  6. 事業者情報登録の完了
  7. 事業者ID・管理者IDの受領

技能実習生の登録の流れ

インターネットの場合

  1. 申込み
  2. 登録料の支払い
  3. 確認・審査
  4. 技能者情報登録の完了
  5. 建設キャリアアップカードの受領(技能者ID通知の受領)

窓口の場合

  1. 申請書を取り寄せる
  2. 申請書に手書きで記入し登録料の支払いを行い、専用封筒に封入
  3. 窓口に提出
  4. 確認・審査
  5. 技能者情報登録の完了
  6. 建設キャリアアップカードの受領(技能者ID通知の受領)

まとめ

 原則、建設キャリアアップシステムの登録は任意となっていますが、技能実習生を受け入れる事業者は建設キャリアアップシステムの登録が義務となっております。

 技能実習生を受け入れるためには、入管へ申請をする前に「外国人技能実習機構」へ認定申請を行う必要があります。機構へ提出する申請書類の中に、事業者が建設キャリアアップシステムへ登録していることの証明書類を添付し、機構の審査が行われます。

 技能実習生を受け入れた後に、機構へ2号の認定申請を行う際には、当該技能実習生が技能者登録をしているかの審査も行われます。

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