日本の外国人技能実習制度は、発展途上国の人材育成を目的とし、多くの実習生が日本企業で技術を学びながら働いています。しかし、慣れない日本での生活や労働環境の中で、病気やケガ、予期せぬトラブルに遭遇することも少なくありません。そのため、技能実習生が安心して生活・就労できるよう、適切な保険に加入することが重要です。

 本記事では、技能実習生に必要な保険の種類、公的保険と任意保険の違い、そして加入時の注意点について詳しく解説します。

外国人技能実習生に必要な保険の種類とは?

 技能実習生が日本で安心して生活するためには、公的保険と民間の任意保険の両方を検討する必要があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

(1)公的保険(加入必須)

 技能実習生は、日本の法律に基づき、健康保険と労災保険への加入が義務付けられています。 これらの保険により、最低限の医療費や労働中の事故に対する補償を受けることができます。

① 健康保険(社会保険または国民健康保険)

 健康保険は、病気やケガをした際にかかる医療費を軽減するための制度です。技能実習生は以下のいずれかに加入します。

社会保険(健康保険)

 企業が社会保険に加入している場合、実習生も自動的に加入することになります。保険料は、企業と実習生が折半して負担します。

国民健康保険

 企業が社会保険に加入していない場合、実習生は各市町村の国民健康保険に加入します。この場合、保険料は基本的に実習生本人が負担します。

【メリット】

  • 医療費の自己負担が3割に軽減される。
  • 全国の医療機関で利用可能。

【デメリット】

  • 健康保険が適用されない治療(美容整形や歯科の一部治療など)は自己負担。
  • 高額な入院費用が発生することもある。

② 労災保険

 労災保険は、技能実習生が業務中や通勤途中に負傷した場合に適用される公的保険です。企業が全額保険料を負担するため、実習生は費用を負担する必要はありません。

【メリット】

  • 医療費は全額労災保険が負担(自己負担なし)。
  • 労災による後遺障害や死亡時にも補償がある。

【デメリット】

  • 業務外のケガや病気には適用されない。
  • 労災と認定されるまで時間がかかる場合がある。

(2)民間の任意保険(推奨)

 公的保険だけではカバーしきれないリスクを補うため、民間の任意保険に加入することが推奨されます。アジアアグリでは技能実習の契約時に実習実施者ご負担の元、①の保険への加入を必須としており、以下のような補償が必要となるケースが多いです。

① JITCO(外国人技能実習生総合保険):37か月プラン 23,900円/1人

 JITCO(国際研修協力機構)が推奨する技能実習生向けの保険で、監理団体が加入手続きを行います。同一傷病につき180日を限度として補償されます。

【補償内容】

  • 医療費補償:健康保険適用後の自己負担分を補償。
  • 傷害死亡・後遺障害補償:万が一の事故で死亡した場合などの補償。
  • 賠償責任補償:第三者に損害を与えた場合の賠償金を補償。
  • 帰国費用補償:病気やケガで帰国が必要になった場合の費用負担。

【メリット】

  • 健康保険の自己負担分が軽減される。
  • 監理団体が手続きを行うため、実習生の負担が少ない。

【デメリット】

  • 監理団体や企業が加入しない場合、実習生個人で加入できない。
  • 保険料が団体によって異なるため、内容を事前に確認する必要がある。

② 民間の海外旅行保険(技能実習生向けプラン)

 JITCO保険に加入していない場合、民間の保険会社が提供する技能実習生向けプランに加入することも選択肢です。

【補償内容】

  • 医療費補償(健康保険適用後の自己負担分をカバー)。
  • 傷害死亡・後遺障害補償
  • 賠償責任補償(他人の物を壊した場合など)。
  • 携行品損害補償(盗難・破損時の補償)。
  • 帰国費用補償(帰国時の費用をカバー)。

【メリット】

  • JITCO保険よりも自由にプランを選択できる。
  • 補償内容が充実しているものが多い。

【デメリット】

  • 保険料がJITCO保険より高くなる場合がある。
  • 加入手続きを自分で行う必要がある。

任意保険に加入する際の注意点

① 加入条件を確認する

 保険会社によっては、日本国内に6か月以上滞在する外国人が加入できるかどうかの条件が異なります。契約前に詳細を確認しましょう。

② 補償範囲を比較する

 JITCO保険と民間保険では、補償内容が異なるため、自分に必要な補償が含まれているか比較検討が必要です。

③ 保険料の負担者を決める

 監理団体や企業が負担するのか、技能実習生本人が負担するのかを事前に確認しておきましょう。アジアアグリでは技能実習としてご契約をいただくすべての企業様に企業様負担のもと、加入をしております。

結論:任意保険は必要か?

 結論として、任意保険は必須ではありませんが、加入を強く推奨します。

 公的保険(健康保険・労災保険)に加入していれば最低限の補償は受けられますが、自己負担分の医療費や帰国費用、賠償責任などはカバーされません。 そのため、JITCO保険または民間の任意保険に加入することが望ましいです。

 技能実習総合保険について、ご不明な点や確認したいこと、またパンフレットのご用意もございますので、監査担当もしくは当組合スタッフにお尋ねください。